観光の話
「どこに行きたいか」と聞かれた私の最初の答えは、「野生のアシカが見たい」というものだった。
というわけで、フィッシャーマンズワーフの方へ向かう。
「PIER39」というのが、目的の埠頭。
みやげ屋やレストランが集まっている。
まだ姿は見えないが、「オウ!オウ!」という声が鳴り響いている。
高まる期待感。
すると、出た!
海の上には、15m×15mくらいの大きな浮きが20ほど浮かんでいて、その上にアシカが群がっている。
正直、アシカなのか、アザラシなのか、トドなのか、もう何がなんだかわからないが、そんなことは関係ない。水族館で見るよりもはるかにたくさんのアシカ。
しかし、何かこう、野生感が足りないと言うか、思っていたのと違うと言うか。
だけど、「飼われていない」という意味では確かに野生だ。
一頭だけ、違うところにいて、餌をもらうアシカがいた。
ズバーッと水を切り裂いて餌を取りにいく音は、とても迫力がある。
かつて、生息していたアシカは、湾岸の工事によってその住処を奪われた。
それが、足場の浮きを置くことで、少しずつ戻ってくるようになったそうだ。
ちなみに、優先度が二番目に高かった「アルカトラズ島」は、まさかの売り切れ。
土曜日に行ったら、月曜までソールドアウトだと言われた。
そんなに人気スポットだったとは。
仕方がないので、遠くから写真を撮った。
***
それから、昼ご飯を食べ、チョコレート工場へ。
途中、セグウェイツアーに出くわした。
たくさんでセグウェイに乗る様子は、まさに「未来感半端ない」といったところ。
その後、ゴールデンゲートブリッジに向けて歩く。
夕日を見れるかと思ったが、そこまで歩くのには少し遠すぎた。
だけど、途中に宮殿があった。なかなか荘厳な感じだった。
***
日曜日には、訪問した高校の生徒が街を案内したいと言ってくれた。
土曜日にまわったところもあったけど、とにかく色んな情報を話してくれるので二倍楽しめた。
ゲームセンターでワイワイと騒いだり、買う当てもなく商品を手に取ってみたり、チーズケーキに歓声を挙げたりするのも、ティーンに戻れたようで、とても楽しかった。
彼らは日本のアニメにとても詳しい。
ネットで見られる最近のものはもちろん、「キャンディキャンディ」や「ベルサイユのバラ」まで知っていたのには心底驚いた。
「NFFF♪NFF♪〜」と彼らが口ずさみ、「気にしないわ〜」とかぶせると、彼らはとても喜んだ。
同じメロディに乗せて、異なる言葉で唄うことは、なんだかとても不思議な感じがした。